平成25年度を迎えて

 毎年、多田地区の一渕神社で恒例の春の霊祭が執り行われますが、大洲市(柳沢)藤縄地区に古くから伝承されております「藤縄神楽(ふじなわかぐら)」が奉納され、今年も参拝して、商売繁盛を祈願した次第です。この神楽を観ないことには新年度を迎えたことにはなりません。
 ところで、昨年度を振り返ると、飼料価格は高騰して高止まり状態、豚枝肉相場は低価格のままで、配合飼料価格安定制度と養豚経営安定対策事業の両セイフティネット制度が共に年間を通して発動するという異常事態でした。
 しかしながら、生産資材の購入価格の見直し、流通経費の低減交渉、販売に対する上乗せ交渉、電気使用量などの経費節減に努めたことが良い結果をもたらすことと成りました。
 また、生産性については、一母豚当たりで肉豚25.3頭出荷、枝肉重量で1,854kg(肉豚販売数26,088頭)の結果を出すことが出来ました。2年連続で一母豚当たり25頭以上の生産性を上げることが出来たのは、大きな自信となりました。
 さて、平成25年度を迎えるにあたって、多田ファームの経営方針を表明しておきたいと思います。まず第一番目に昨年3月にキックオフ致しました農場HACCPについて、システム構築に拍車を掛け、その運用を暫時進めていくことにします。目指しているところの病気に強い農場に繋がってくると同時に、目に見える形で「食の安全と安心」を消費者にお届けすることができます。二番目に5S運動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を継続させていきます。きれいな環境と秩序ある職場は自ずと人を育てていきます。三番目にQC活動をより一層活発にしていきます。三人寄れば文殊の知恵と言いますが、皆で問題を掘り起こし、あうでもないこうでもないと話し合い解決策をひねり出す。答えを見つけるまでが大切な過程であり、実践に移していくことがまた重要であります。お互いを深く知ることになり強い絆を結ぶことになります。
 「農場HACCP」と「5S運動」と「QC活動」を経営方針の3本の柱として実践し、今年度も年間26,000頭出荷を実現していきます。
(株)多田ファーム 代表取締役社長 松田 智

(写真:藤縄神楽風景)