社長新年の挨拶

明けましてお目出とう御座います。
昨年は、3月11日の東日本大震災により20,000人にも及ぶ犠牲者が出て大変な年となりました。改めて、犠牲者の皆様のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。
 また、福島原発事故でふるさとを追われるという、考えられないようなことまで起こってしまいました。愛媛県にも伊方原発があり他人事ではないと感じております。「安全神話」は脆くも崩れ去ってしまいました。根底から今の在り方を考える良い機会になったような気がいたします。
 さて、我々の養豚業界も先行きが一層不透明で飼料価格は高止まり、豚肉価格の相場は低迷し、経営環境は一層厳しくなってきました。多田ファームは平成21年、22年の苦境を経て、昨年はやっと生産性が回復してきて25,000頭出荷のところに戻ってきました。農場にはいろんなリスクが伴います。例えば飼料価格や肉豚価格相場などの経済リスクや天気(猛暑)や豚の疾病のリスク。とりわけ農場には家畜の病気が付きもので、常にリスクを抱えております。この問題を克服するために、今年は真正面から病気の問題に向き合って「農場HACCP(危害要因分析必須管理点)」の認証にチャレンジしていきます。「農場HACCP」に取り組むことによって農場における衛生管理が向上し豚肉の安全性が確保されるわけですから、農場にとっても消費者にとっても良いことには違いありません。肉豚を生産する上で、その生産工程を細かく分析すると550以上に上るそうです。その一つ一つをルールどおり実施し記録をしていくことは大変なことですが、TPP(環太平洋経済協力協定)を見据えて考えれば、生産者としてできることはこれしかないと考えております。
 生産コストでは外国産の輸入豚肉には太刀打ち出来ません。品質やより一層の安全を提供していくのが、我々の生き残る道です。認証を受けるのに5年くらいかかるそうで長い道のりになりそうですが、必ずやり遂げたいと思います。
 それから、農場長をおくことにしました。生産全般を一括管理し見通しの良い体制づくりをいたしました。もう一つのねらいは、このことが後継者づくりに繋がると考えています。特に各部門の主任は責任重大で多田ファームの命運を握っていると思っています。仕事をとおして人は育ちます。今一層の緊張感を持って取り組んでくれるものと期待をしております。
 最後になりますが、多田ファーム従業員一同、皆様の日頃のご愛顧に感謝いたしますと共に、美味しくて安全な豚肉づくりに邁進することをお誓い申し上げ新年の挨拶に変えさせて戴きます。
 尚、多田ファームの豚肉は、大洲市の地元では「Aコープおおず」でまた愛媛県下では「フジ」でお買い求めできます。何卒、今年もご愛顧頂きますようお願い申し上げます。